京都 久御山町の浄安寺へ 椿を見に行きました。
ネットに関西の椿の名所のリストを上げている方があり、そこで教えてもらって。
近鉄大久保駅で聞いて、バスに乗り「佐山」で下車します。
ありました!ネットの写真と同じでホッ。
交通量の多い国道の傍らにそこだけ静かです。
門に「椿展」の手書きの案内が。
そう広くない境内のお堂の周囲に椿の木があるようです。
本堂に上がると、高齢のお寺の奥様が座っておられました。
ぐるりと椿の一輪挿しが並んでいます。
ひとつひとつ、添えてある枝と花びんの説明をして下さいました。
こんなに早くから咲いている椿の種類の多さにびっくりし、何よりもこれらのほとんどを奥様が境内に挿し木して育てたものだと知り、
信じられませんでした。
お庭の椿のことが気になっていた私も、お話を聞いているうちに引き込まれていきました。
一輪挿しの種類や窯元の説明ばかりでなく、手に入った由来やお好みなどが分かり、添えてある木の枝の豊富さもおもしろくて。
お茶をいただいてから、お庭を見せていただくことに。
「どうぞごゆっくり」との優しいお言葉には、私のスピードギアが最初からローになる響きがありました。
古いお墓の石塔や、鐘撞堂などの周囲に所せましと植えられている木は大きく、よく花をつけて、
↑ 「窓の月」
80歳を超えた奥様が一から挿し木で育てたとはとうてい信じられません。
きれいに掃き清められた境内の片隅や、観音像の裏にも、
あ、あそこにも、
という感じで咲いています。
これがまた楽しくて。
いくら何でも失礼かな?と本堂に戻ると、座っていらっしゃる奥様が いえ、いえ、どうぞごゆっくり、と
勧めて下さるので、また 外へ。
↑「加茂本阿弥」
元禄時代のものという墓石の周囲には村の片隅と言う感じで藪椿が繁っています。
塀の向こうは国道で車がひっきりなしに通りますが、、昔はお寺の敷地だったそう。
軍用道路を作るために椿も巨大な楠も、切り倒されてしまったとか。
「学校から帰ったらみんななくて悲しかったです」と、笑顔で話して下さいました。
またお茶とお菓子をいただき、お別れにはお寺の布巾なども頂戴して、
恐縮しながら辞しました。
今でもお茶のお稽古に通っていらっしゃるという奥様の心遣いや、暮らしぶりに、
数日来重かった私の心もゆっくり癒えて、帰り道についたのでした。
椿の季節にはずっと展示されているようです。
心温まるお庭の椿を ぜひ訪れてみて下さい。