ロシアに行くことになり、思い浮かんだのが、アンドレイ・ルブリョフの名です。
映画「アンドレイ・ルブリョフ」。
学生の頃、友人に教えられて見た白黒映画。
すご~くゆっくりした展開、地味な画面でした。
その時は退屈にも感じ、修業のように見たお蔭で、
物忘れの激しい私が粗筋や映像をかなり覚えているのです。
アンドレイ・ルブリョフというイコン画家の伝記映画ですが、15世紀のロシアの農民の過酷な生活が描かれ、タタール人の襲来の恐ろしさも私の記憶に刷り込まれました。
映画の重苦しい画面が最後に突然、カラーに変わり、
イコンが次から次へとスライドショーで現れた、印象の美しさも鮮やかです。
ロシア正教では、キリストや聖人は彫像ではなくて、イコンに描かれます。
無名の修道僧によって描かれたものも多い中、なぜアンドレイ・ルブリョフはそんなに有名?
とずっと思っていたのですが、
今回初めて見て分かりました。
ルブリョフのイコンには、ルネッサンスの絵画のような優雅さがあるのですね!
この美術館にはルブリョフ作はほとんどないそうですが、これ、そうよね。
何とか名前だけは読めます。
ルブリョフも居た修道院だそうです。
建物の中に様々なイコンが展示されています。絵を描いている学生さんたち。
あ、タチアオイが咲いてる! モスクワではまだ蕾が固い中、ここでやっとタチアオイの花が見られました。
ルブリョフ記念美術館は、映画の重いイメージを引きずって来た私が拍子抜けした、静かでおしゃれな都会の中の休憩スポットでした。